「え……」
誕生日?ヒバリさんが?
ええええっ!!!?そんな衝撃の告白を今突然されても!!!
っていうかオレ誕生日プレゼントとか何も用意してないんですけどっ!!
今日だなんて知らなかったし!!!噛み殺されたらどうしよう!!?
さまざまな思いが胸の中を駆けていき、思わず百面相してしまうオレの姿を面白そうに見つめながらも、なぜかヒバリさんは諦めたようにふぅ、と小さくため息をついた。
「あ、あの、誕生日って、ヒバリさんがですよね?」
「そうだよ。……知らなかったの?」
「ハ、ハイ。すいませんっ!!」
「………そう」
さっきまでの様子とは一変、オレの言葉を聞いたっきり、ぷぃっとどこかを向いてそのままたたずむヒバリさん。その顔にはいつものような不機嫌さがありありとにじみ出ていた。
……あれ、でも、なんだろう。
不機嫌そうな顔に、どこかを向いてたたずむ姿。
いつものヒバリさんと、一緒なようでどこか違う気がする。なんていうか……すねてるみたいだ。
もしかして誕生日、一緒に祝ってほしかったのかな?
そんな、ありえないような考えが頭に浮かんでくる。
まさか、ありえないよっ!!そう否定してみてもその考えは消せなくて。
ぐるぐる悩んでいても、オレの小さい脳みそではヒバリさんの考えてることなんてわかるわけもない、そう判断したオレは、しょうがなくびくびくしながらもヒバリさんに直接問いかけてみることにした。
「ヒバリさん」
「なに」
「た、誕生日、祝ってほしかったんですか?」
鋭い眼光に内心震えあがりながらも、なんとかその言葉を口にすると、ヒバリさんはぴくっと微かにひきつったような顔をして、そのあと静かにオレをにらんだ。その向けられた視線の鋭さといったらもう人ひとり殺せるんじゃないかと思うほどで。
あああおれのバカー!!ヒバリさんがそんなこと言われて怒らないはずないじゃんか!!もっとオブラートに包んだ言い方、とやらをしなさいって母さんに言われてたのにっ!!
と、わけがわからないまま胸の内で思わず反省してしまった。
そんなオレをじっと見据えたまま、ヒバリさんは小さく口を開いて、言葉を紡ぐ。
その顔がわずかに困惑してることに気づけないまま、オレはびくびくと震えたままなんとか視線を返した。
「……なに言ってるの、綱吉」
「ひぃっ!すいませんっ!!!」
「……すいません、じゃ許さないよ。…噛み殺す」
「うわぁ、ごめんなさいっ!! えと、オレの部屋にあるものなんでも持って行っていいですから!! お願いだから噛み殺さないで!! 誕生日プレゼントとしてなんでもあげますからぁ!!」
正直、ゲームとかを持っていかれるのはやだけど、自分の命より大事なものはない。
この後人生と、自分の宝物を天秤にかけたオレは、迷わずその言葉を口にしていた。
聞くはずがない。
そう思いながらも、半ば悲鳴のように叫んだその言葉にヒバリさんは意外にも反応をしめした。
「なんでも……?」
「は、はいっ!! なんでも好きなものをどうぞ!!」
「ふーん……そう」
そう呟いたため(勝手に了承の合図だと思うことにした)、部屋を物色するかと思ったヒバリさんの目が意外にもオレから動かず、じっとこっちを見つめている。こ、こわい……!!!
だけど悲しいかな、ヒバリさんと合ってしまった視線をそらすこともできないまま(失礼にあたるのが怖いから)、オレはどぎまぎと視線を返し続けた。
「……」
「……」
それでも何も言わないヒバリさん。
さすがに耐えきれなくなったオレはおずおずと口を開いた。
「あの、ヒバリさん……?」
「なに」
「持ってくもの、探さなくていいんですか……?」
「探すも何も、目の前にあるしね。あとはどうやって持っていこうかな、と思って」
……………は?
「あ、あのヒバリさん今なんて」
「どうする? このまま直接うち来てもいいけど。服とかは買わせればいいよね」
「ヒ、ヒバリさん!!?」
オレに聞く、というよりは半ば自分自身が確認するかのように告げられていく言葉に、オレは突っ込み所をなくしたまま軽いパニックに陥いる羽目になった。
ちょっと待て、落ち着いて一個ずつ整理しよう。
まず、ヒバリさんが持っていこうとしているのはオレで、今悩んでいるのはいつ、どうやって持っていくのかってこと。そして、服とか身の回りの品はどうするのかってことも合わせて悩んでるみたいだ。
………って。
一個目の時点ですでにおかしなことになってるんですけどーーーっ!!!?
「ヒバリさん!」
「ん?」
「ちょ、ちょっと待ってください!! なんでオレがお持ち帰りの対象になってるんですか!!?」
「なに言ってるの? この部屋にあるものならなんでも持って帰っていいって言ったのは君だよ、綱吉」
「それはそうですけど!!」
しれっとした顔で告げるヒバリさんに反論しにくくなるのを感じる。
なんで人のこと持って帰ろうとしてそんなに当たり前みたいな顔してるんですかっ!!?
「それともなに、君はこの部屋に存在してないわけ?」
「してますけど!!」
「なら何も問題ないじゃない」
「おおありですっ!!!」
「……あんまり僕にたてついてくるようなら……噛み殺すよ」
「ひいぃっ!!! すいません、なんにもないです!!!」
……勢いで言ってから、しまったと思った。
言葉巧みにそう言うように誘導されたことに、今になってようやくきづいたのだ。
恐怖で目をつむる前に一瞬見えた、あのある意味残酷そうな表情。
うわーん、オレのバカ!!なんで気付かなかったんだよ!!
「なんでもない」
そのオレの言葉にヒバリさんがどんな顔にしろ、内心ほくそ微笑んでいるのは火を見るより明らかじゃないか。(最も、ヒバリさんにそんな感情があるのかはわからないけど)ああ…泣きたい。
そんなことを考えている間にも、現実から逃げ出してしまいたいような衝動に駆られるほど、びしばしと伝わってくる目の前にいるヒバリさんのオーラはいろんな意味で邪悪だった。
……でも、ここに存在してる以上否応がなしに時間は進んいくわけで。
ここでこうして目を閉じていても、いい方向には転ばないわけで。
それならば思い切って前に進んだ方がいいかもしれないと、意を決して、おそるおそるさっきつむってしまった眼をあけると、そこには
「じゃあ、行こうか綱吉。お姫様だっことおんぶ、どっちがいい?」
今まで見たことないくらい嬉しそうにほほ笑む、いろんな意味で真っ黒なヒバリさんがいた……。
悲しいかな、運命の神様はそのあともオレには味方してくれず。
結局そのあと、ヒバリさんの部屋まで連れて行かれたオレはなぜかその場でファーストキスを奪われ(泣)、
『ヒ、ヒバリさんっ!! なにするんですかぁぁあーっ!!?』
『黙ってなよ。君はもう僕のものなんだからね。なにしようと僕の自由だろ』
『そんなぁーーーーっ!!』
……リボーンが迎えにくるまでの一週間の間に初体験まで奪われてしまい(号泣)、あれよあれよという間に手ごめにされてしまったオレがいましたとさ……。
その後、(なぜか)ヒバリさんにプロポーズされてしまうのは、また別のおはなし……。
ちゃん、ちゃん☆
……というわけで、ヒバツナの誕生日(?)、終了です。
ここまで読み続けてくれた方(いっらしゃるのでしょうか;)ありがとうございました…!!!
あの、すいません、ぐだぐだで。やっぱ二次創作は難しい…。
要するにヒバリさんへの誕生日プレゼントはツナ自身だよ、という……((痛
まぁ、ある意味王道ですよね!!
意見、苦情はいくらでもうけつけますので、どぞ…!
あ、ちなみにプロポーズ編には続きません!!!
要望があれば書きます((あるわけないだろ!!
まぁ、なにはともあれ読んでくださりありがとうございました!!!
幹
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