考えろ。
よく考えろ、オレ。
一体どうしてこうなった!!?
……………って。
考えるも何も明らかにリボーンのせいなんだけどー!!!
……それは、二時間前。
ランボとイーピンが母さんと一緒に買い物に行ったために、めずらしく何もすることのなかったオレが久しぶりに進めてなかったゲーム(RPG要素のある対戦ゲーム)を進め始めたときのことだった……。(ちなみにリボーンはビアンキと一緒にどこかに出かけてて、いなかった)
「やぁ、草食動物。こんなところで一体なにしてるんだい?」
「……は?」
よいしょ、と妙な効果音をつけながら、ゆっくりとオレの部屋の窓から入ってきたその黒い影に、俺はそれ以上言葉を発することができなかった。……というより、恐怖で言葉が出なかった、という方が正しいかもしれない。
雲雀恭弥。並盛中学校風紀委員長かつ、並盛最凶の人物。そしてもちろん、並盛中喧嘩ランキング1位。
彼に目をつけられたら、まず確実に人生が終わる。
彼に友達とつるんでいるのを見られたら、絶対に噛み殺される。
そんな黒い噂の絶たない彼が、急にオレのうちにやって来たのだ。
なんでいきなり!?いったいなにしに来ちゃったの!!?
もしかしてオレここで人生終わっちゃうのか!!?
正直、一瞬で頭ん中がパニックになってしまうほどの精神的ダメージをもたらす威力が彼にはあるわけで。
そんなオレの焦りを知ってか知らずか、(多分確実に知らないと思うけど)ヒバリさんはきょろきょろとオレの部屋を見渡しがら、不思議そうな面持ちで言った。(ていうかここ俺の部屋なんですけど!!)
「あれ、赤ん坊は?? いないのかい?」
「…………」
リボーン?なんでここでリボーンが出てくるんだ?
「……ねぇ何か言ったら? 答えないと噛み殺すよ」
「ひぃっ!!すいません!!リボーンならさっき出かけました!!!」
「おかしいな……。赤ん坊と約束してるはずなんだけど。……君なんか聞いてない?」
うん、わかった。いやなにもわかんないけど、少なくとも一つだけはわかった。
この事態を招いてくれたのはリボーンだということが。
ってかむしろそれだけわかれば十分かもしれない。
リボーンとヒバリさんが約束した。
それはつまりこれから先の数時間、ヒバリさんが帰るまで、オレにとってロクなことが起きないということが約束されたのと同じことだ。
……ていうかいったい何を約束してくれたんだよリボーン。。
「沢田綱吉? さっきから黙ってないでなにかしゃべったらどうなの」
「え、えと、……すいません、聞いてないです…」
「何も?」
「何も…」
「ふーん……」
つまんなそうに、そう呟くヒバリさん。
この人は本当にリボーンとか自分より強い人しか見えてないんだなぁ、と改めて思う。
……うん、まぁぶっちゃけオレは自分さえ目をつけられなければそれでいいんだけどさ。
「まぁ、いいや。じゃあ君代わりにやってよ。赤ん坊と親しいんだろ?」
「……え、えぇ!!? なにを、ですか?」
「ゲーム。それに勝ったら勝負してくれるっていう約束なんだ」
「え、そんな、ちょ、オレリボーンの代わりなんて」
「ほら早く、それセットしてよ。早くしないと噛み殺すよ」
オレの話をなんにも聞かず、ヒバリさんはゲーム機を指差した。
仕方なく、それをセットする。オレがヒバリさんになんて逆らえるわけないし…。
勝負っていうのは、おそらくトンファーの相手をして欲しいっていうことだと思う。
ヒバリさんはいつもリボーンに勝負を仕掛けてるからだ。
それにしても、なんでリボーンはゲームで勝ったら、なんて言い出しただろう。
リボーンがゲームをやってるとこなんて見たことないのに。誘っても、ガキの遊びなんか俺ができるか、とか言ってバカにした目で見てくるだけのに。
いったい、なぜ??
……そういえば、リボーンで思い出したことがあった。つい30分前くらいのことで。
アイツ、出かける前に
『おい、ツナ、今日家に人あげんじゃねぇぞ』
『別にそんなほいほい他人を家にあげたりしないよ。獄寺くんたちなら別だけどさ』
『もし、誰かあげたりしたらお前のせいだからな。自己責任で自分で始末つけろよ』
『なんだよそれー』
『まぁともかくそういうことだ。負けたら承知しねぇからな』
『わけわかんねぇよ!』
……とか言ってたんだ。……って、あれってもしかしてこのことだったのか!!?
迂闊だった。リボーンがあんな意味深なセリフはいて、なにも起こらないわけがないのに。
手元だけせっせと対戦ゲームを二人用にセットしながら、オレは小さくため息をついた。
要するに、これに負けたらリボーンにいつものように絞められて(下手したらヒバリさんにぼこられて)、勝ってしまったら勝ってしまったでヒバリさんにトンファーの相手をさせられるハメになって、で。
どっちにしろオレにいいことはなにもない、ってことだ。
……なんでこんな自分に何もメリットのないゲーム勝負をやらなきゃいけないんだろう。。
でも、どっちかといえば、勝った方がダメージは少ない気がする。
ヒバリさんには悪いけど、これは勝つしかない!!!
正直、ゲームはオレの得意分野なので、負けようと思わなければ負けるわけがないんだけど。
本気、だしてやる!!
「準備できた? 沢田綱吉」
「はい。あ、コントローラー1と2どっちがいいですか?」
「1に決まってるだろ。なんで僕が2なんてつかわなきゃいけないの」
「ひ、す、すいません!!」
すでに気力で負けてる気がする……。
このままじゃ勝てるものも勝てないよ……。
がんばれ、オレ!!負けるな!
「で?」
「……え?」
「これ、どうやって使うの?」
「…ま、まさかヒバリさんゲーム……」
「やったことない」
えええええええええええ!!!(心の声)
じゃあ、オレが操作とか全部ヒバリさんに教えなきゃいけないっていうこと……??
も、泣きたい。。。いっそ泣いてしまいたい。
「ほら、どうやって使うのか説明しなよ、綱吉」
そのあとオレはトンファーを突き付けられながらも一時間かけて、、コントローラーの使い方とゲームのやり方を説明しましたとさ……。
……ヒバリさんの、俺への呼び方がだんだんと変わっているのにも気付かないまま。
―――②に続く。
す、すいません、ヒバツナ要素少なくて。
初のちゃんとした(?)二次創作なのでかなり変ですが、見過ごしてくれるとうれしいですw
あ、続きは出来たら今日中に、無理でも明日(今日の夜)には仕上げます!!
幹
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